2008年07月18日

正義なんてぜいたく品だ…愛と死のアラビア/Red Hot Sea

 
お父さんの言い分は真実だなあと思いました。


というわけで、花組公演を見てまいりました。

カルメンも早く更新したいし(もう書いてあるんだけど…)、なにより日帰りで行った雨唄がほんとーにさいこうで、おなかを壊した状態で梅田に行ったのに観終わったらすっかり直っていてたにちゃんのオーラは霊験あらたかだなあと思ったり、本当に色々あったのですがおいおい書いていきます…

もろもろ宿題が増えていくなあ。
それもこれもおうちのパソコンの具合が悪いからです。

まずは手近な花組公演から。
あ、気持ちいいくらいすっぱりネタバレです。



まずはおしばい。

アラブ世界というのは男女が厳しく分けられているので、戦い中心の話になるとおのずと女子の出番が本当にない…というのがほんとうに歯がゆいというか、納得いかないというか、あんなにかわいこちゃんを擁している花組なのになあと不満でしたはっきりいって。

しかも今回、れみちゃん投入ということで、かわいこちゃんたちが通常の配置にいなかったりして混乱もいやますわけで。
しかも私が黒塗り顔になれていないときた!
じゅりあとゆまパイとののすみちゃんはわりとすぐ見つかったんだけど。
ちっちゃかったりでかかったりでっぱってたりかすると分かるの。

ゆゆがまったく見つからず。
お顔がゆるい子がおると思ったらミス白痴(ひめかちゃん)だったりとか。
おっきな口をあけて歌っとると思ったらこっきーだったりとか。

ああでも全部は分かってないなあ。悔しいよう。
あと3回行くので、全部把握できるように頑張ろう。

いちかがワガママなお姫様でいやもう甘やかすのも分かるわーってくらい可愛かった。
だから最後に“私を着飾らせなさい”と言ってはけていったときには、どんな素敵な花嫁衣裳で登場するのかと楽しみにしていたのですが……楽しみにしていた分がっかりですよ。
ああもう谷先生のかゆいところに手がとどかないっぷりったらない。
もうわたしの脳内ではとんでもないことになってますからね!
いっそ金襴緞子ですよ!

 
男子陣はあてがきなんだろうか…谷先生がイキなアテガキができる人ではないことを信じたい。

トマスはとにかく流されるままに生きていく男。
捕虜になり、敵国の軍事訓練をし、決闘をし、牢獄に入り、死刑を待つ。
キリスト教とは従順と自己犠牲が美徳であるとでも言わんばかりに。

アラブのためにと言うなら、あがいて戦って死んで欲しかった。

確かに、トマスが暴走すればあの兄弟たちや気のいいベドウィンたちも無事ではすまないと思う。
それを思っての自己犠牲なのはわかるけど。

おとなしく死んでいくのが美しきブシドーだと思ったら大間違いですよ谷先生。
戦って無為にいのちを落としてもいいのだと思う。
たかがひとりの英国人の命が法どおりに奪われたからといって、聖地を巡るあのたたかいに終止符が打てるとも思えないもの。
なんかどっちにしろ犬死っぽいなら闘って欲しかった。

“不本意な死を待つだけの無力な主人公”くらいみていてむねが悪くなるもんはないと思うのです。


そんな流される男トマスを、まとぶんは“未練”という表現でどうにか救おうとしていたのが印象的でした。
トマスは牢屋の中で捕虜交換で帰国する友に笑いかける。
でもその笑顔は間違いなく未練たっぷりなのだ。
アラビアのために笑って死のうとしているけれど、すっごく死にたくないのだ。
笑顔に未練が張り付いている。

死にたくない。生きたい。国に帰りたい。アノウドと幸せになりたい。

そんな未練を顔中に貼り付けたままトマスは笑う。
その未練に胸がいっぱいになりました。

未練っていうとマイナスイメージがあるかもしれませんが、未練とは希望や渇望をなくしていないからこそ生まれる感情で、それはとても人間的なこころのうごきだと思います。
まとぶんの“ひと”を演じる力がそう見せてくれたんじゃないかなあと思うわけです。

それに、未練ってすみれちんの演技方向にはなかったから新鮮だった。
ほらあのひとは全て軽々と飛び越して笑っちまうから。


ゆうひさんが…この人がいなかったらどうなってたんだろう…ってくらいお芝居の手綱を握ってました。
ほらそういう人が花組にはいなかったから。
なにしろすみれちんが先頭きって自由に解き放たれまくってたもので。

トマスへの尊敬、弟への気持ち。そして後継者としての責任。
全てを飲み込んで怜悧な無表情を決め込んでいる。
でも見ていたらその無表情の下でどんな気持ちでいるのかが客にはわかるのであります。
そして次から次に粋な計らいをしてくれるのです。
お友達に会わせてくれたり、アノウドを連れてきたり。
お兄ちゃんがいなかったらトマスはひとりしょんぼりと死んでいくしかなかったと思います。


いっぽくんが…わあー楽しそうにぐるぐる回っているーて思いました。
この人を見ているだけで元気になるんだよなー。
トゥスンが若者なのか元気者なのかはたまた若い元気者なのか、いっぽくんを見ている限りではわかりかねるのですが、とにかくみんなあったかい目で見てたよ。お客さんもベドウィンのみんなも。
だってトゥスンがズズイと前に出るだけで客席が沸くんだもの。
ある意味すごい求心力。

お兄ちゃんがお父さんに理路整然と抗議を申し立てた時、お父さんが“トゥスンがお前の四分の一でも頭が良かったら”みたいなことを言ってて(政治のことを理解してたら、だったかな?)、客席がわりと爆笑だったのです。
よんぶんのいち以下なんだ!!そうなんだ…!!!

その場にいないのに場をかっさらいましたよ…


そしてあやねーが…あやねーの奴隷ポーズ(?)がちょう素敵!
私にお金があったら買いたいのよ。すっごくかわいがるのになー
しかし本当にしどころがない役だ…
歌はファントムで鍛えた裏声の歌ばかりだったので安心して聴けました。

 

そしてショー。
ショーは物語と気が狂いそうな色彩感覚とカツラがありました。
しかもまた女子が見つかりにくい構成でした…みんな錦糸玉子かぶったら誰が誰だかわからないよー
ゆうひさんが錦糸玉子をかぶりこなした挙句ちょう笑顔でビビリました…クールビューティーに何をさせるのか草野先生…

先生はヨーロッパのほうのショーの方がまだいけるんじゃないかしら…?

劇場で見かけた草野先生はヘミングウエイの物語の絵が描かれたジャケットを着ていて、このひとどこまでも無邪気だなーと思った。
十三番地は港町ですか…ひばり好きなのはわかった。
分かったがそんなことで知りたくはなかった。


母は一緒に住んでいる。父は海になった。
母がまだおなかに子供がいた時に拾った貝殻が、ずっと彼らを見守っている。
ある日彼は海へ遊びに出る。
その、少年のちいちゃな冒険の物語。

かな、と勝手に思いました。
とにかく大変なショーでした。
はつたいけん。

動物たちの海、誰もいない海、恋人たちの海。
カモメの群れ、その中で唯一の白鳥(くらいでっかいの)はじゅりあ…
かわいいようじゅりあ。
じゅりあは…最後のあたりで前がみぱっつんのミドリのかつらだったり、フィナーレではヒッピー的な敗れたショートデニムパンツからすラリと伸びる網タイツの足にご馳走様だったり。


核になるのは、父が生きていた頃の話。
まとぶんは…船乗りの格好がムダに似合ってたなあ。ゆうじろうみたいだ。
縄とほうきで戦ってて、平和な街だなーって思ってたらまとぶん死んじゃってしょんぼりした。

そして海を漂う棺おけにビックリしました。
漂わないだろ棺おけは。
どっちかというと沈むと思うの。
まあその棺おけはやがて海中に沈み、魂は海へと溶けていき、時には幽霊船の舞踏会に迷い込んじゃったりする。
とはいえ、母子は海の上に船を浮かべて暮らし、海に溶けた父の魂はずっと母子を抱き続ける。

………という物語が時系列めちゃくちゃに詰め込まれているようであったのですが、色彩の洪水に目がハレーションを起こし、もしかしたらのうみそまでハレーションを…おこしてきちんと把握できてないかもです…
何度みても把握できる気がしない。


まとぶんはとにかく頑張って真ん中を担当しようとしていた。
ゆうひさんがカッコイイの担当だった。
いっぽくんが面白いの担当だった。

そういうさんにんなのかしら。
 

そして我が(?)あやねーですよ!
ショーでは大活躍。いろいろなものを撒き散らして頑張ってました。
なんつーかほんといろいろ出てましたよ。
なんだかとっても素晴らしいモノをあがめるようにただそばに寄り添っているのではなくて、一人のにんげんとしてまとぶんと向かい合い、全力で支えていた。
天使はもう人間になってしまったのだと思ってさみしくもあり、しかし人間だって可愛いものは可愛いわけで!
あやねーは手が長いなあ。
あやねーはツンとするとたまらないなあ。
ニヤニヤ度は変わりません。
むしろ今のほうがあやねーを見ている時間が長いかもしれません。

 

というわけで、楽しんでまいりました。
観ると辛くなるかしらと思ったけど、わりとものすごく普通に楽しめました。
ただ、私はもうあのパレードの一員ではないのだということをひしひしとかんじてしょんぼりはしました。


公演ってパレードみたいなものだと思うのです。
トップさんが旗を振って進み、鼓笛隊やダンスグループが続き、その後には訳も分からずパレードの賑やかさに惹かれてついていく人々。
そしてそのパレードを楽しむ見物客。

すみれちんがトップだったとき、私は確かに花組のパレードの一員でありました。
すみれちんの振る旗を遠くに見ながらパレードのおしりについてよちよち歩いてたと思うのです。
そして他4組のパレードは見物客としてロープの手前でそのパレードを見物して楽しんでいたのだと思うのです。

今回の花組公演では、見物客になってしまいました。
パレードと見物客を仕切るロープの手前で、華やかなパレードを楽しみました。

すっごく楽しかったけど、私はもうパレードの一員ではないのだということも同時に知ってしまってとても寂しかった。

またすみれちんが旗を振ってくれるという事実がなかったらぺしゃんこになっていたかもしれません。
コンサート楽しみだな!
マルグリット早く観たいな!!

と、結局ここに帰結するのか…


あ、拍手で質問を頂いたのですが、“愛の嵐”という映画の原題は“THE NIGHT PORTER”です。
ネット上で映像を探すなら原題で拾うのがいいかもしれません。
じゃっかんショッキングな映画ですのでお気をつけて…
しかし短髪のランプリング様がたいへん美しいのであります。そして制帽がとってもお似合いなのであります。
それ以上は自主規制だけど、大変コーフンするのであります。

 
posted by 海野モノトモ at 02:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 花組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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