4日マチネは記者招待があったせいなのか、初日の呪縛から解き放たれたせいなのか、新たにお稽古をしたわけでもないでしょうに、すっごくよかった。
初日は緊張した春野寿美礼という人が舞台に立っていたけれど、今日はきちんとウルフがいたのー。
ウルフが笑って、苦しんで、話して、愛して、悩んで、友達が出来て、悩んで、また笑っていた。
幕間に外で煙草吸ってたら、テラスのある1階の喫茶店で稲葉先生が神妙な顔で記者たちの意見を聞いているのが見えた(隣で一服してたひとが「あれが稲葉先生よ」って教えてくれたのです。小劇団にいそうなおにいちゃんでした)。見るからに私と同年代くらい。
見巧者の記者たちの言葉……全てを鵜呑みにするなよ!でも、全てを拒否してはならない。
取捨選択して糧にして欲しい…記者もピンキリでしょうから。
難しいかもしれないけど、ものを創るひとにとっては、その柔軟さが一番大切な要素だと思う。
わたしはものを創る人をサポートする仕事についているのですが、色々な方と話していく上で、最近それを身に染みて思う。
稲葉先生は、上質な“辞書”を持っていると思いました。
ものを創る人は、皆自分でひとつひとつ綴った自分だけの辞書を持っていて、そこから言葉を引いてきて物語をつむぐ。
難しい言葉を使う人。使わない人。語尾にこだわる人、使う単語を厳選する人、そのほか色々。
稲葉先生の辞書は、いい辞書だけどでもまだ白紙のページがあって、どんどん書き足せる状態だと思う。
まさにこれから…と言った感じですよね。
ちなみに、一番分厚くて、一番上質の辞書を持っているのは荻田せんせいだと私は思う〜…。