2006年04月05日

へりくつを言ってみた…アパルトマンシネマ


大好きなこの作品ですが、疑問があったりもする。
レオナードがねえ…なんでサラとデキちゃうの…??
記憶を本当に失ってるならともかく。

と思っていたのですが。

ふと思い至る。
レオナートはあり方として間違っていない…ああいう男もいるってことだ。
…サラの書き込みが…足りないんじゃないだろうか。

煉獄。
と、書くと硬すぎますが、アパルトマンシネマの中で、ホテルコンチネンタルは“浄化”する空間として描かれている。
近くに川が流れていると言うのもとても象徴的だ。
川は古来から境界線として描かれる。三途の川だって、此岸と彼岸の境界線である訳ですから。
ホテルコンチネンタルの最後の日、人々は川に面した出口から出て行く。川を渡って向こう岸の新しい世界へ行くことを暗喩している。
そういう観点から見ると、レオナードに矛盾はない。
レオナードは復讐にとりつかれて家族を顧みることはなかった。
でも、ホテルコンチネンタルで色々な出会いを通して、家族に支えられていることに気付き、バラバラになりかけていた家族の元に帰る。娘の誕生日に何を買おうと思いながら。
レオナードはホテルコンチネンタルで“浄化”され、再構築された家庭を手に入れるわけです。

じゃあ、サラは?

「もう一度彼を待ってみる」
ホテルコンチネンタルに来て、レオナードと関係をもったけれど、彼女は浄化されていない。一応「映画の恋はいつか終わるわ」って言ってるけど、結局何も変わっていないよ…。
彼と話しあってみるとかさ、彼に手紙を書いてみるとかさ。思うところがあるなら行動してみろよ(byウルフ)。
コンスタンチンとメリッサは復縁。
アドルフのネットビジネスの成功。
サラひとりだけ元に戻るんだもん。……ここになにしにきたの、あなた。

サラが浄化されていない。
だから、レオナードとの関係性に意味が発生しない。
…レオナードが「ええ!?」って思われてしまうのは、サラが浄化が描かれていないからだと思ったのでした。

でもねでもね、やろうとはしていたんだと思うのよ。
ふたりの弁護士。ふたりの弁護士の妻。
「あなたの心が私から離れているのはわかっていたのよ」と言い募るレオナードの奥さん。
それを複雑そうな顔で螺旋階段の途中で観るサラ。
伏線が、原材料過ぎるよ…。
だってね、このサラは2階席からは見えないんだよ〜稲葉先生…。

印象的だったのは、最後の夜、サラはレオナードと握手していた。ああもうキスも交わさなければ抱き合いもしないんだな、と。しみじみしてしまった。
私はあなたの青春の幻影(byメーテル)…なんつってな。

ま、とはいえ、サラはとってもチャーミングで、なんとなく納得しちゃったんだけど。
子供のまま大人になって結婚しちゃった奔放な女の子っぽくていいの。
最後の日、外していた結婚指輪をつけている姿を目撃(ずっとやってたんだろうけど、奇声を上げるアドルフに気を取られてて見逃していた…)、愛しさ倍増。

posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アパルトマンシネマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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