2006年07月21日

ひねた生娘 今日よりは 手折らせ初むる花嫁御…社会人のための歌舞伎鑑賞教室


社会人のための歌舞伎鑑賞教室に行きました。
歌舞伎鑑賞教室のオトナ版で、昼間公演ばかりの国立劇場で、3回だけ夜18時半開演の公演がある。
それが、社会人のため、というわけですね。ただそれだけなんですが、国立的にはかなり画期的かと。
そもそも国立劇場に夕方に行くシチュエーションが珍しくて不思議だった。

鑑賞教室と言うことで、前座に歌舞伎のみかた、そして『彦山権現誓助剣―毛谷村―』。
歌舞伎のみかたは、多分学生向けと同じ。研修生を使ったわかりやすーい、うすーい解説。
社会人の、と銘打っているのだから、もう少しアカデミックなことを教えてくれてもいいのになあと思う。

そして、本編。
梅玉の六助に、芝雀のお園。

梅玉を見ていると、まっつを思い出す。いや、逆か。
まっつをみていると、梅玉を思い出すのです………なんかさっぱりした、というか地味〜な芸風が(決してけなしているわけではなく)。

梅玉というひと、浄瑠璃の大仰なニンがないので、どうしても新歌舞伎の役者、というイメージがある。
さわやかな口跡を駆使し、セリフ劇に向いていると思われるこの人が、六助をやったらどうなるのかとある意味興味もあった。

毛谷村はとてもオーソドックスな丸本物で、梅玉演じる六助は、骨太の、強くたくましい男。
それをあの優男ぶりが板についている梅玉さんがねえ…と思っていたのですが。
だって籠釣瓶でいうなら栄之丞役者ですよ(所謂、ヒモ)。

観てびっくり、とっても素敵だった。
そして、誰にもなしえないことを、ごく自然にやっていた。

浄瑠璃という特殊空間にリアルを持って入っていたのです。

浄瑠璃だと「え」とか「いやあ…」とか、そういうちょっとした言葉ですら、ある種の“型”になるものだと思っていた。そういうのしか観たことがなかったし、そういうもんだと思っていました。
でも梅玉さんはとっても自然なニュアンスのまま、丸本の世界に溶け込ませていた。
浄瑠璃とは相反するのに、きちんと三味線に乗っていて、しかもなんともいえない愛嬌があった。
化けたなあと思った。
自然であるがゆえに地味であること――それを追求したこの人の芸に、いつの間にかささやかな花が咲き乱れていた。
なんだか心が温かくなり、なにしろまっつを観たくなってしまいました。
というより大王大王大王…来週末まで見られないよ〜…。

余談ですが後半の浄瑠璃は清太夫。初めて観たときからちょっと苦手な“顔芸”の清太夫…。
顔を見てないとどういう感情なのか見えてこないという…でも歌舞伎という舞台を観る時に浄瑠璃を凝視しているわけにはいかないのですよ…。

posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌舞伎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。いつもひっそりと訪問しております。
キャリ役ファンのむらさきと申します。

梅玉さんとまっつですかぁ。
私はコマゾウさんを観るとまっつを思い出します。
最近ヅカと妄想に萌えすぎて歌舞伎にもとんとご無沙汰ですが
モノトモさんの歌舞伎感想、すごく好きなんで、また待っていますね。
あ、勿論ファントム感想も!

初めての投稿なのにこんなんですみません。




Posted by むらさき at 2006年07月23日 13:55
>むらさきさま
はじめまして。コメントありがとうございました!
あやぶきさんのファンなんですね!あやぶきさんのキャリエール、大好きです!(告白!?)
本文中ではまおたん、なんて勝手に呼んですみません……

そして、高麗蔵さんとまっつ!確かに風貌からして似ている気がします!そして、梅玉さんとまっつはおのおのの世界での立ち位置が似ているような気がするのです…笑。

歌舞伎については、きっと皆さん読み飛ばしているだろう…と思いつつ、自分の中の滓を吐き出す作業として書いていたのですが、読んでくださっているとのこと、嬉しかったです!ありがとうございます。
8月の歌舞伎座はともかく(ファントムない時が多いし)、9月の秀山祭は面白そうなのですがファントムとまるかぶりしているのが辛いです…
今のテンションなら間違いなくファントムに行ってしまう気がします…

もしよかったらまた遊びにいらしてください!
Posted by 海野モノトモ at 2006年07月26日 04:03
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