2006年09月26日

脳髄はものを思うにはあらず…花組ファントム

 
ものを思うはむしろこの街

エリックは今日も死にました。
これだけ繰り返し観ていれば一度はエリックも死なないで済む回があるかしらと思うのですが、まだ行き当たったことがありません…。
………あたりまえなんですけど!わかってるけど!
幸せにしてあげたかったなあ。


最初の、キャリエールを招き入れるシーン、キャリエールと従者しかいない時のエリックはとてもリラックスしていた。
「じゃあぼくもお前と一緒に出て行くよ」…ってキャリエールの家に転がり込むつもりですよ、あれは…。
でもクリスティーヌを取り返しに来たキャリエールには、毛を逆立てた猫みたいに怒る。その時の哀しそうなキャリエールの顔ったら…


今回は、最期にオペラ座に出てくるあたりから胸を打たれっぱなしでした。
母を亡くしてぽっかりと空いたこころの穴をクリスティーヌで埋めたかったのに、成し得ず、そんな空虚なこころを抱えてオペラ座に出てきた。
からっぽなんだよ…だからキャリエールに“今でも君の事を愛しているよ”と言われて、泣き崩れそうな顔をどうにか笑顔にしてゆるゆると首を横に振る…なんて健気…。

最期、キャリエールを促すその言い方がまた変わっていました。
縋るようだったり、搾り出すようだったり、甘えを含んでいるようだったりしたのに、今日は静かに「ジェラルド、助けてくれ」。
この“助けてくれ”は、“ここにいる皆を殺してぼくを助けてくれ”と聞こえないでもないセリフの内容とその声音だったから、キャリエールは悩み、悩んだ末に銃口を向けるわけですが、今日はそれがそのまま“殺してくれ”と聞こえた。
約束しただろう――そのつぶやきはとても静かで、説得するような。
エリックはもう烈しい感情はなくしてしまって、気持ちが静かに凪いでいるようでした。
クリスティーヌにほんの一瞬だけ愛されたという思い出をいだき、生まれてきてよかったって思って、父に抱きしめられて、エリックはもう未練なんてなくなっちゃったのかもしれない。

満ち足りた想いと、そしてなんとなくほんの少しの諦念と。

静かに流れ落ちる涙…。
どうやって殺せと言うのだよ……
                   

キャリエールに撃たれ、クリスティーヌが抱きとめられて横たわった時、クリスティーヌがエリックの手を頬を撫でているようなしぐさを…涙を拭ってあげていたのかな…あやねちゃん…ありがとう(おやごころ)。
だってエリックはクリスティーヌに頬を撫でられて苦悶が緩むんですよ…。

そして、今日はクリスティーヌがエリックの頭を撫でるよう抱えていたのにまた打たれました…!
こころはどこにあるかと言えば、やっぱり頭にあると思うのです。のうの奥の計り知れないところに。
頭ごと優しく抱き寄せる行為には、激しい恋というよりは、穏やかな深い愛、慈しみを感じるように思うのです。若き日のキャリエールも、回想の中のベラドーヴァも、少年エリックを抱きしめて頭を撫でてあげている。
エリックはクリスティーヌにこころごと抱きしめてもらって息を引き取りました……。

あと2回…。


リハーサルのいたずら度がどんどん上がってますね。
やるぞーとなってから、そのかちゃんに今日は大きく3発連続パンチ!そして最近の基本コース、きほさまのスカートめくりとじゅりあ嬢のお尻タッチは欠かさず。
どんなに素晴らしい声を持っていようともオペラ座で歌手にはなれないエリックからの、ささやかなコミュニケーション。
ぼくの全てだ…そうだよね、これは君のものだよ……

エリックは音楽の天使になって、音楽の殿堂に宿り、オペラ座を擁するパリの街に宿り、大成するクリスティーヌを見守っていくことでしょう…

posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファントム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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