2006年12月12日

明智さん、ピストルは?…黒蜥蜴

 
[黒蜥蜴]を観に行きました。
いろいろな意味で話題作…
 

ベニサンは大学の頃よく観に行っていたのですが実に久しぶり。
場所も忘れかけてたくらいだったのですが、まるっきり変わってなくてうれしいやら驚いたやら。

乱歩好きなので腐るほどみてきた[黒蜥蜴]。
美輪さまの映画がかかる度にリピートしているため、見飽きた感がある。
でも三島好きとしては、行かねばならないのだ…(パブロフの犬だから)。
三島がどれだけ美輪様が好きなのかがよくわかる映画だから。
三島の怒涛の美辞麗句形容詞にいつも圧倒されます…。

 
 

美輪さまの舞台も色んな明智で見ている…というか、ナマで観たのは美輪さまの黒蜥蜴しかないや。
今回、黒蜥蜴は麻実れいさんでした。
“優しい二の腕の黒蜥蜴を”のセリフは、やっぱり美輪様が絶品過ぎた。
麻実さんは、少し恥ずかしそうだった…なんとなくだけど。
黒蜥蜴は美しいものが好きな人間で、だから宝石を愛するだけなのです。
美しい自分のことも好きだし、きれいなものは好き。
麻実さんの黒蜥蜴の“美”の範疇に黒蜥蜴自身は入っていないようだった。
若干の物足りなさ、弱さを感じながらもラスト、黒蜥蜴が心情を初めて吐露するところでは…思わず涙した。
十回以上観ている黒蜥蜴で今更泣くとは思っていませんでした。
美輪様の声で聞くと、うつくしいうたを聴いているような気持ちで、言葉がつるっと流れていくのですが、麻実さんは生きた言葉としていちいちこころにひっかかってひりひり沁みる。
なんか黒蜥蜴の哀しい愛情表現が胸に刺さりました。
黒蜥蜴の持つ女性としての業が際立っていたと思います。

実はもともと片岡正二郎さん目当てで行った公演だったのです。
くものすカルテットというビッグバンド(?)のバイオリン弾きさんです。
なんか…“ちいさなひと”の役でした…
片岡さんってそんなに小さかったっけ…!?と思いました。普通に小柄のひと、と言う印象だったんだけど…
もしや麻実さんの背が高いのか?(宝塚の男役だったんですもんね…でかいのか…) 
でも次元を自由に行き来する軽妙な存在感がさすがでした。
観に行ってよかったーくもカルも早くみたいな。

そして、美輪様の舞台では割愛されていた(もしくは短縮されていた)潤ちゃんと偽早苗のやりとりも印象的なエピソードとして(明智と黒蜥蜴の関係性の相似形として)入っていて、面白かった。
そう“T”はいらないですよね…。
木村先生ーTはいらないですよー!

乱歩版と三島版、違う作品じゃないか?ってくらい違うと思う。
両方をちがう温度で愛しているので、その差こそが私にとっての黒蜥蜴の醍醐味とでもいうか。
映画を始め、舞台などもほぼ三島版が使われるため、ある意味乱歩版はβ版というか。メカ沢β、弟の方が先にできる…。
とまあ、色々おいといて。
乱歩版はある意味廃れていて、[黒蜥蜴]と言えば三島版を想起するひとがほとんどだろうと思う。
木村先生は乱歩を基にするということは……三島に張り合うつもりのようです。
すげーなー…。

乱歩がおざなりに書いた黒蜥蜴と明智のこころのおくの方での交流を文字化したのが三島。
というか、乱歩には多分興味のないところだったんだとおもう(乱歩が興味があったのはおおかた女賊と下僕の関係だろう)。
でもこの部分が描かれたから、戯曲[黒蜥蜴]は名作になったのだと思う。
そして、三島は美輪様のために、乱歩の描いた少女の無邪気な残酷さを持ったまま大人になった黒蜥蜴という女賊を、マダムに仕立て上げたわけで。
三島版の明智は、黒蜥蜴に勝利してはいけないのである。なぜなら、美輪さまが演じるからですよ。
三島版は、美輪さまありきのアテガキなのです。

ということで、木村先生が誰にどのようにアテガキするのか、黒蜥蜴マニアとして楽しみにさせていただこうと思います。
 
posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台&ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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