2007年06月12日

苔のむすまでに愛し合うはずのふたりが予定調和の中で離れ離れになる…ダル・レークの恋

 


何も出来ないで別れを見ていたおれは まるで高木ブーのようじゃないか。


……そういう話でした…。

なんつーか、歯がゆーい。

お互いの恋愛温度の上昇と下降がかみ合わなかったがための悲恋とでも申しましょうか。

インド特有の身分制度の壁に阻まれて叶うことのなかった若いふたりの恋…だと認識していたのですが。
一概にそうとも言えない感じ。。。

ラッチマン。
インドの階級制度に縛られるのを嫌った男が、身分の高い姫を愛した。
そして、彼は彼女から身分を剥ぎ取ろうとするのです。
それが為し得ずに絶望し、しかしからだを繋げればあるいは、と思い直して彼女を騙すかたちで彼女のからだを手に入れる。
彼のカマラに対する恋愛は、彼女が身分を捨てて自分を愛するか、というところにある。
だからダル湖の祭りで農民だと名乗るカマラを見て喜び、そして、その後本当の身分を口にするカマラに絶望する。
この瞬間、彼の恋は終わってしまった。
彼の恋愛温度が下がっていく音が聞こえるようでした。
そして、慇懃無礼な口調で愛想尽かしをする。
ひどく、能動的に。
もう愛していないんだな。
そう思いました。
すがりつくカマラをただ静かに否定し続ける。
彼がこの言葉を聞いたのがカマラと幸せな恋を育んでいる時だったら、もしかしたら結果は違ったかもしれません。
彼の心はもう冷め切っていたから。
カマラの愛想尽かしは偽りだったかもしれませんが、ラッチマンは本当に愛想が尽きていたんだろうな。
いっそうつくしい思い出としてこころの奥に閉じ込めてしまった。
情熱的で身勝手でかたくなで、美しい男。


一方のカマラは愚直で、からだの芯から王族である。
高貴ということは、愚かしさすら伴うのかもしれません。
身分を捨てて恋に走るには彼女はあまりにおろかな王族の一員だった。
そして、自分の意志を持たなかった。
言われるままに愛想尽かしし、言われるままに復縁を迫る。
恋を原動力として自分の意志を貫くことが出来るほど、図太くなかった。
そして、恋に生きるにはどうすればいいかを理解するほど、賢くなかった。
美しく、愚直な女。

あの恋愛は、成就する可能性があった。
でもあのふたりは、そうしようとはしなかった。

最初から最後まで、このふたりの会話はビミョウにずれている。
カマラの言うことをラッチマンは理解しようとしないし、ラッチマンの言うことをカマラはさっぱりわかっていない。
カマラが、自分の意志をしっかり持っていたら。
ラッチマンがもう少しカマラの話に聞く耳を持っていたら。

結構簡単にこの恋は実っていたかと思うのですが。
しかしダル・レークの恋は、予定調和の中で悲恋となる。


………それを全てカースト制度のせいにしていいのですか菊田先生…
ふたりにもおおいに原因があるような気がしてなりません。
そして危険な台詞(差別表現)が多すぎた…
古い作品だとは言え、公共電波に乗せられないようなことをジェンヌさんに言わせるな…!


と、まあ色々ありつつも。
それなのにあのベッドシーンで全てが帳消しになるのはどうしてなんだろう…
なんつーか、私はこのために松戸に行ったのか!と思いました。


そして、いつでも心にチンチロリンを――全てがサイコロ任せの男・ペペル。
…胡散臭い…面白いほどに。
裕さん@おいらはドラマー的テーマソングに抱腹絶倒であります(酒井先生作詞!)。
でも一番リアルな人間として描かれていた気がします。
おれが好きなのは金と宝石だけだ。
悪党の気概というものは、いつどこの国でも同じということでしょうか。


酒井先生のパリのイメージって“白”なんだな、って思った。
そして白と黒の使い方がとっても好きだということにも気付きました(私の思う“悪趣味な白”は藤井先生の白です)。

そういや、大王のディナーショーの舞台も白で飾られていた。。。
posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 月組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだかいつもこちらで、お話しのモヤモヤを解決していただいてる気がしてます。

そうかー。すべてカースト制度のせいにしてあるから、何かスッキリしなかったんだと思いました。
しかしホントにベッドシーンがあるだけで楽しかったので、結構あとはどうでもよかったりするんですが(笑)

そうそう、あさきは遠征されるんですかー?
またお会いできるといいですね☆
Posted by ふみ at 2007年06月19日 00:58

>ふみさま

こんばんはー。

やっぱりモヤモヤしましたか…
カースト制度のせいにしてある割に、カースト制度が絶対の壁になっているわけではなく、結局ただ単に“気持ちのボタンを掛け違った”だけなのがモヤモヤの源だと思いました…。
君達もう少し落ち着いてお互いの話を聞きたまえ、と世話好きの親戚のオバサンのよーにもどかしい思いをしました…
私には少しレベルの高いお話だったのかもしれません。

いやしかしベッドシーンはオモシロ…いやステキでしたよね!

フィナーレもスーツでインディア…とても不思議で、うっとりするやらくすぐったいやら。

なんだかんだで堪能いたしました〜…。

あさき、もちろん遠征いたしますよ、初日から☆
というか毎週末大阪に行きます…
Posted by 海野モノトモ at 2007年06月19日 03:06
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