2007年07月09日

あさき夢にまどろみ見た愛…あさきゆめみしU


9日は3回目の観劇。
わりと最初から好きな世界観でしたが(1幕目はともかく)、三回観ればもうこっちのもんです。
私的に鬼門だった大王のでこガードにすらうっとりだ。

人物紹介ショーの趣が薄れてきたのは、役者さんたちも“今どういうシーンなのか”ということを明確に打ち出しはじめているからかもしれないなあ。
今週末が楽しみであります。


草野先生の大正の少女絵本のような古めいた日本語が私は好きです。
もう鬼籍に入られたわたしの三味線の師匠の口調に近くて懐かしい…草野先生は何歳なのかな(師匠は明治生まれでしたよ)。

だからこそ無理に若ぶるとヤケドするゼ☆と思うセリフもあるのです。
すだまちゃんが妙に人間臭いのも、そこら辺に一因があると思うけど(すだまちゃんばっかりヤケドしてかわいそうだなあ)。

原作のセリフを引用していることもあって、原作に出てくるキャラたちは割にセリフが安定しているのですが、その分オリジナルのキャラクターの方がヤケドワードの被害が大きいのかもしれません。


源氏物語は紫式部が書き始め、式部が筆を置いた後は、幾人もの名前の残っていない男女の手によって五十四帖が書き継がれたのだそうです(教科書には便宜上、源氏物語の作者は紫式部、となっているけど)。
だから原作自体コンセプトが揺れているのですが、総じて“日本のこころ”が描かれていると思っています。
それを先生は“無常”と捉え、刻の霊を置いた。


…私は無常観というテーマが本当に好きなんですよ(すだまちゃんの在り様が好きかどうかは別にして)…平家物語マニアだけに(いろんなマニアだな、わたし)。
好きというより無常であることから逃げたいと思っていて、でも結局はやっぱり世の中は無常でしかなくて、それを自分に納得させる作業として、物語をむさぼるのかも知れません。
そして大王は、無常を体現するにふさわしすぎますわ…



須磨から帰還した源氏を迎えたふたりのシーンが好き。
すっと立つ源氏を座って迎える紫の上。
源氏が、そして紫の上が一番幸せだった時だと思います。
そしてラストの白装束でのふたりのシーンも、同じように源氏がたち、紫の上が座って迎えている。
紫の上が“光る君”と呼び、幸せそうに笑顔をかわす。

ふたりは死んで一番幸せだった時に戻ったんですね。

物語を通して時の進みには抗えないという無常観を描きながら、最後にふたりを一番幸せだった時に戻してあげている。
草野先生にそういう優しさがあるから、他のアイタタな点は見てみぬふりが出来てしまう。
……なんか、ダメ男と別れられないダメ女みたいだと我ながら思いますけどね…。

だって時は前に進むしかなくて12月24日は確実に近づいているけど、ああいうふうにこころのなかでキラキラと光る舞台に戻れるんだと思ったら、なんか救われた気がしたので。


そして、愛の燦歌が本当に圧巻。
“賛歌”じゃなくて“燦歌”なのが、胸に沁みます…。
理屈ではない感動に押しつぶされそうになります。

源氏の昇天が日々違うのにも、震えます。
これは先生の指示なの?大王なの?
初日は階段を上りきった源氏が振り向いて、浮世を見渡すように正面を向いて暗転、8日の16時公演はちらりと振り返って優しく微笑んだ横顔を見せて暗転。
今日は…もはや浮世に未練はないとばかりに振り向かなかった…後ろ横顔(?)を見せたまま背中を見せて暗転。

………リュドヴィーク…っ!

リュドヴィークみたいに光源氏も“ここではないどこか”に行ってしまうのか。
それは“天国”というにはあまりにはかなくて、あやふやで、あたたかくて、ほんのすこしさみしいところ。


そしてその後に、その行った先で恋人と再会して微笑みあう二人を描くか、ひとりっきりで歩いていく姿のまま幕にするかで、荻田先生と草野先生の心根の違いを見た気がします。
違うけどどっちも好きよ。

 


ちなみにちっちゃいツボは以下の通り。

*じゅりあ嬢
じゅりあ嬢は今回おんとし12歳(前回の原君は11歳だった)。
明石産の新鮮な魚介をたらふく食べて育ったような福々しい姫でした。
私が嫁にもらいたいよ!

*一花嬢
一花嬢の腹にイチモツありそうな女三の宮も嫁に貰って尻にしかれたい。
なんつーか、一花嬢、柏木の半分くらいしかないんですけど…。

*惟光と良清
大男のふたり。源氏が大男を二人従えて、やっぱり身の回りのお世話(特にお着替え)をしてもらってて、喜ばしい。

 
posted by 海野モノトモ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | あさきゆめみしU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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