2008年02月17日

行く川の流れは絶えずして…エル・アルコン/レビューオルキス



しかももとの水にあらず。


巷では雪組公演もはじまりましたが、星組のかんそうをば…

なんだか最近時間が経つのがはやくってついていくのに精一杯(ていうかおいてきぼり)。

でもいきなり18日にいっかいめの雪組。

 

いきなりショーからであります。
感動した順でね☆


大切なものをなくしたことのある人には、こころに響くショーだったんじゃないのかなあと思うのです。


冒頭、老人と老女が仲むつまじく、蘭の星を想う。

蘭の星で出会い、恋に落ちたのはもうずっと昔の話で、それは、大切な大切な宝物のような思い出(その思い出がショーの中で展開されていくわけで)。

でも彼らは蘭の星には戻れない。
あのころにはもう戻れない。

老いたふたりには燃えるような恋心はもうないけど、代わりに思い出を共有し、慈しみや愛を長い時間かけて育んできた。
そうして、肩を寄せ合ってなくした恋を懐かしみ、いとおしんで老後を暮らしている。

宝物をなくしたとしても、なくしたことを哀しむのではなくて、その思い出を懐かしみ、いとおしむことも出来るのだと、ふたりの笑顔に教わったような気がします。


わたしタカラヅカというエンターテイメントの舞台から最愛の大王を見送ったばかりだったもので、ほんとシみました…


大王がもうタカラヅカの舞台にいないということを哀しむのではなくて、大王がいたときの事を懐かしく思い出したら、やっぱり幸せになれるのだと、同じタカラヅカの舞台でそれを表現されるとものすごく救われた気持ちになる。

まったくもういまごろ大王は何やってんだろうなあ。
おうちで冬眠中でしょうか。
まだのんびり夜更かししてるのかなあ。
早く啓蟄が来ないかしら。


…また話がずれた…。
荻田先生の舞台に螺旋階段が出てくるように、草野先生の作品には老人が出てくる。
それは、先生が“時間”というものをテーマにしているからだと思う。

時間を隔てたところにいる者としての、老人。


仲むつまじく寄り添ったふたりの姿が、百年あとにもああやってファンのこころに在り続けるであろうという希望でもあり、あらんけいとあすかちゃんのコンビよ永遠なれという草野先生の願いのようでもあり。

そして、若いころの苦しみや悲しみも喜びも哀しみも、そして恋も、いつか笑いながら懐かしむことが出来るよ、というメッセージのようでもあり。


草野先生…大好きだチクショーメ…!


まあ衣装とか色彩感覚とか、ぶっちゃけ気が狂いそうになるシーンもあるんだけど…。
もともと原色は好きだし、原色に蛍光を足している強烈な色も好きなんだけど、蛍光ベタがどうしても好きになれんので、街の人々と色とりどりのスーツに気絶寸前でした。

しかし、うおうそりゃないぜと思いながら、それでも根底に流れている想いや志に同調できるから、そういうのをすっとばしてこころ揺さぶられます。 


そして、芝居は真逆で、志というよりも萌えを無遠慮にぶつけてくるかんじ…エル・アルコンは………ぐう…。
ちなみに原作は読んでます(が、ファンというほどのもんでもない)。


出てきては悪いことして、引っ込んで…を繰り返していて、ドラマチックっぽいけどそのじつ実は冗長でものすごーっく長く感じました。もしかしたら、役者を把握していたらまだ楽しめた…のかなあ…??
私が星組で把握しているのが5人(あらんさん、あすかちゃん、れおんくん、みなみまりちゃん、きらさん)しかいないからかもしれませんが…役名と役者名とビジュアルが一致しなくて次から次にでてくるカタカナにお手上げ…ていうか。
役者さんの顔がわからない分、脚本のアレっぷりがダイレクトに伝わってきちまった…。

……天から突如降ってくる心の声はどうにかならんのか。
漫画のモノローグをそのまま舞台でやるなんて愚の骨頂だと思うですよ。
漫画は紙とインクのひとだから、文字で補完しなくちゃ伝わらないところがある。
でも生身の人間が演じているのだから、そこら辺は役者に託してよかったんでは。
天から「ああ…」とかいう声が降って来た時には気が遠くなりました…。


みなみまりちゃん!
百戦錬磨の悪女だった〜威嚇するような皇室笑いが底なしの欲望を映していたように思います。
原作ではティリアンにバッサリやられちまうのですが、そこら辺ぼかしてあってほっとした…。
その点はありがとうさいとうせんせー!

漫画では約3枚目のブラックがフツーにカッコイイことに瞠目しました。
漫画ではわりとモブ的な顔だったもんなあ。
私の印象ではベルばらにおけるフランソワくらいの位置にあるのですが、いやもう惚れ惚れするかっこよさだった!
パンフがないのでわからんうえに、ショーでは見つけられなかったこのていたらく…。
しかしロン毛の鬘がわおわお級に似あっとった。

ジュリエットのはっちゃけ具合がさいこうだった!
青池先生はそういう頭の空っぽな子にあまり興味をお持ちではないらしく、原作のジュリエットがわりと紋切り型のアホの子になっていたのですが、星組のジュリエットは活き活きしてたなー。
そんなジュリエットにいいように振り回されるレッドがこれまたさいこうでした。
いらぬところで紳士だぜレッド!
 

まあまわりには割と楽しませていただいたのですが、なにより納得がいかないのがティリアンとギルダですよ(ファンじゃないとはいえ思い入れはあるのです)…。

ティリアンは世の中の常識(というか“神の決めた先入観”)としての善悪で言えば悪なのかもしれません。
しかし、それは彼の信念であり志でありました。
理由などないのです。
ティリアンの悪が他者の善とぶつかっても揺るがないのは、純度がこの上なく高い信念だからです。
そして、ティリアンは過去には縛られていない。
前を向いておのれの内より溢れる信念によって突き進むのです。

それを、中途半端に過去を書き、悪に手を出した理由を書いちまったのが、サイトウセンセイの愚行ってことでしょうか…。
本当に原作を愛しているのだろうか…

でもあらんさんがティリアンの悪を志として演じようとしている気がして、だから踏みとどまっていた舞台だったのかもしれません。

そして、ギルダ。
ティリアンの特別な女性であることには変わりないけど、“特別”のもつ意味が歪められていた気がします。
原作と変えることには反対しませんが、かのエル・アルコンを原作とするのであれば、護らねばならないところだと思うのです。

ギルダとティリアンには恋が芽生えてほしくなかった。
お互い敬意を持ちながら、おのれの信念のもと刃を交えるのであってほしかった。
例えて言うならハーロックとエメラルダスのようにね!(漫画違う)

ティリアンは女性を大切にしたりしない。
愚かな女たちは利用し、無力な女たちは平気で殺したりするけど、ただひとりギルダには敬意を持っていた。
彼女の中に、自分とは違うけれども、純度の高い志をみたからです。
ギルダの死に際しても、彼女の尊厳を護っていた。

なによりギルダの女心など…見たくはなかったの…でもオンナゴコロのかたまりみたいなあすかちゃんが演じていたからなあ(喋り方がコンチータだった…)。

恋がなければタカラヅカじゃない…のかもしれないけど。
そういう点でも“新しいこと”に挑戦して欲しいなあとおもったりするのでした。


あとさ、ティリアンがニコラスにもギルダにも“七つの海と空をみせてやる”的なことを言うのがどうにも納得いかず(どんな八方美人なんだ)。
鳴り物入りで船出したエル・アルコンが激弱なのにも納得いかず…。
ティリアンの誤字をニコラスが指摘するある意味クライマックスを使わなかったことにも納得がいかず(体育会系ドラマチックっぽさにはそぐわない知的なエピソードだけどもさ)。
ていうか、ヒロインは間違いなくニコラスなのにさ(…けっきょくそこか)。

未だにあすかニコラスという願望を捨てられない…でもきられいさんのニコラスはさいこうだった。
あれは…あれだけは諸手をあげて賛美したい!


…そういえば、ショーで地球の裏側からやってきたオスカルおじいちゃんが教えてくれたダンスはどれだったんだろ?

もしかして…アデューマルセイユのあの音楽のところかしら…。
あそこは…目から汗かいててよくおぼえてナーイ!(ギュン太のスカイハイ風に読んでください) 

 
posted by 海野モノトモ at 03:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 星組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは☆ 楽しいことだけ思い出す、あなたに幸せを〜ですね。 思い出を上手に使いましょうってオーラ*泉で、美輪さんが言ってましたよ、はい。 私も一昨日タランテラの東京の楽の映像を観て甘酸っぱくなりました...(笑) 春野さんはどうやら汐美真帆さんと一緒にNYにいらっしゃるようですよ(^_^)v
Posted by 夜棲 at 2008年02月19日 07:19

>夜棲さま

にゅ…にゅーよおく…!?
うわー!!そうなんだNYなんだ!
おこたで冬眠してなかった!
ニューヨーク!ニューヨーク!!ニューヨーク!!!(錯乱)
あ、今日のニューヨークは晴れでした!
最低気温−4!サムーイ!風邪に気をつけてー!

わあわあもうどうしたらいいのか分かりませんっ
ありがとうございました…!

もうおととしなんですね…タランテラの楽。
私もいつかマルセイユの楽を観て甘酸っぱくなれるといいなあと思いました。

草野先生は…美輪さまと同じステージのひとだったのですね…
しかし美輪様は悲喜交々を乗り越えた末にその境地にたどり着いた感がありますが、
草野先生はそこで生まれたっぽい無邪気さがありますよね…

ありがとうございました(特にニューヨーク)!
Posted by 海野モノトモ at 2008年02月19日 14:47
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